「デザインウィーク京都」で工場めぐり

2019/02/25

デザインウィーク京都。(http://www.designweek-kyoto.com/jp/

「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトとし、年に1度、1週間にわたって京都のモノづくりの現場を一般公開するイベント。

2月17〜24日に開催された今年、少数精鋭の工房から大手企業まで計28社が公開されており、そのうちの7社を2日かけて訪ねました。

普段のぞくことのできない現場に立ち入り、工程を教えていただく。
いまの年齢になって工場見学をしてみれば、”面白い!”だけにとどまらず、自分もあんなことをしてみたい、こんなことができるかもしれないと言った欲求にかられます。
実際、企業間のコラボは既に行われており、今まで京都内にありつつ縁のなかった企業同士が、オープンファクトリーの参加をきっかけに新たな商品を共同製作したり、本業での得意分野を活かしあったりしていました。
オープンファクトリーが単なる紹介やお披露目で終わらず、イベント時の交流が継続的な繋がりを生んでいることがいいな、すごいな!と個人的に思いました。

訪問した7企業と、各社ウェブサイトのリンクです。

車で回ったことを考えると、正直1日に3~4件を訪問するスケジュールはタイトだったな~と思います。
まったく知らない分野だけど、なんとなくで行ってみたら楽しさ満点なんてこともありました。

以下、最初に訪れた2件の感想文を書いてみたものの、見学中に感じた「ワァーーッッ すごいなァ!」は、表しきれませんでした。

来年、京都の皆さんに会ってみてほしいです。

1.山本染工場 

「舞台衣裳専門」—
創業昭和5年より培ったノウハウを活かし、時代劇ドラマなどに使用される衣裳を数多く手がける染工場。
すごいのは、染工場の名を超えてデザインから仕立てまで一貫生産を行っていることです。

分業体制を組んでいる生産現場には、各工程にプロがいて、その連携により1つの商品や作品がなりたちます。

ただ、沢山作る場合は効率が良くても、少数かつスピードが求められる場合は、全部できるプロに任せたほうが早い。
シュークリームを作るにも、レシピを考える人やクリームを混ぜる人、皮を焼く人など担当に分けたほうが良い場合と、一人のシェフに頼んだほうが手っ取り早い場合があるのと同じです。

衣裳制作は多くの場合で後者であり、ひとつの映像作品や舞台などのために、言わばオーダーメイドでしかも短期間に制作されます。
そこで登場する「山本染工場」。
室町時代ならこんな柄、お姫様ならこの色合い、といった様に、細かな設定まで考慮しデザインの提案を行うそうです。

そして、そのデザイン力を活かして展開している自社ブランド、ケイコロール。新しい柄を彫るのではなく、創業当時から溜めてきたオリジナル柄を「再編集」し、新しい布をつくっているとのこと。色や配置など、要素の組み替えによって生まれた柄は、ポップでおきて破り、にぎやかで目を引きます。

むかし既にあったのに、なかった柄。不思議でほしくなる布です。

2.三浦仏像彫刻所 

「三浦さんは、飛ぶよ」—

そんな一言を添えられて、次にやってきたのは三浦仏像彫刻所。

最初に、木の説明を受けました。
まず材木屋さんから仕入れた木は、「良い塩梅になるまで乾燥させる」。
伐採したての木は水分を多く含み、乾燥する前に加工を施すと後にゆがんだり割れたりしてしまうので、それを防ぐために先に乾燥させます。

およそ3年の乾燥を経てようやく材料になるとは、根気のいる相手ですね。
仏像彫刻は、主に「一木造」「寄木造」の2つに分かれ、大きな仏像は、たいてい寄木造だそうです。
細かいパーツに分解された様子は、まるでプラモデル。

右が一木造、左が寄木造(組み立てられた状態だと、どこが継ぎ目かまったく分からない!)

仁王像が細かく分解された様子。内側は、軽量化と割れ防止でくりぬかれており、お経や修復した日付、仏師の名前などが書かれていたりする。

工房には、大小さまざま沢山の種類の彫刻刀が備えられています。
また仕上げはヤスリではなく、小さなカンナを使いこなします。
理容室で顔そりをするようで、そんな仏様を想像すると、なんだか気持ち良さそうです。

そんな、高い技術をお持ちの三浦さんは、とても意欲的な仏師で、代表作(?!)に”ドローン仏”があります。
その名のとおり、ドローンに乗っかって浮遊する仏様で、とても違和感がありましたが「阿弥陀来迎」を再現したいのだと聞いて納得。
「三浦さんは飛ぶよ」が、このことだったとは。敷居の高そうな仏像彫刻の世界が、向こうから歩み寄ってくれたのでした。