服は土からできている

2019/05/26

「服は土からできている」---ピンと来る方も、来ない方もいると思いますが。
服と限らず、食べ物も住まいの木も私達の身体だって、程度の差こそあれ突き詰めれば土からできています。母なる大地とはよく言ったものですね。

服の前は布、布の前は糸、そして糸の前の繊維。
昔ながらの天然繊維でいうと、代表的なものに麻(リネン)、絹(シルク)、綿(コットン),毛(ウール)なんかがあります。
あえて乱暴な書き方をすれば麻【草】、絹【虫】、綿【草】、毛【羊】となります。ぐっと土に近づいた感じがするでしょう?

東京でコットンを育てるプロジェクト、檜原村での2回目の集まりは快晴の下、種まきをメインにおこなわれました。
子供や10代の子が多く参加するのを見て、時代なのか個人の志なのか、すごいなぁと感心するばかりです。そういえば食育という言葉が世に浸透して久しく、近頃では「服育」なんかも耳にするようになりました。

交代で畑仕事をし、365cotton にお借りした綿繰り機で綿と種を分ける体験もしました。歯車がついてて、取っ手がついてて、ぐるぐる回せる。楽しくないわけがなく、綿繰り機は人気者。

種まきを終えたのち、その足で長田養蚕さんへ。
蚕(かいこ)の卵を仕入れ、孵化させるところから蚕が繭を作るところまでの飼育をされています。

そもそも蚕は想像を絶するほどデリケートな生き物で、葉の上で自重を支える握力さえなく、自然界に放置されればすぐさま捕食されてしまうような、人間のお世話なしには生きられない「家畜」だそうです。(そのため1匹、2匹ではなく”頭”で数えるらしい。)

桑の葉を唯一の食べ物とするため、養蚕農家は桑の栽培をおこないます。

長田さんの桑畑

生まれたばかりの蚕には小さく刻んで与え、大きくなってからも蚕の上にそっと葉をのせてやります。愛情をもって接してこそのお仕事だと感じます。蚕は見るほどにかわいい顔やしぐさをしていて、つたない手足の運びや、正面から見たときのおちょぼ口はなんとも愛らしい雰囲気をもっています。

ちょこん…

ネットでポチッとすれば買い物が済む今は、自分から行かないと生産現場は遠のく一方だなと思いました。できの良い完成品ばかり見てないで、それに至るまでの道のりや、関わる人々だったり、一流になれなかった品が沢山あることに気がつくと、「自分も頑張ろう!」なんて思えたりもします。