久留米絣<テキスタイル産地ネットワーク>前編

2018/11/12

全国のテキスタイル産地で活躍そして奮闘されている方々が集う、「テキスタイル産地ネットワーク」。
共通する悩みや、独自の取り組みについて情報交換をする、すばらしい機会です。

未熟な私は情報を得るばかりでした。
ユニークな企画やアイディア、地域や行政の協力など、色んな側面が見えましたが、最終的には「個の力」が集まって、困難を乗り越えようとしている様に感じました。参加された皆さんの、良い意味での強さが印象的だった、、、

また、「危機感」を産業や地域としてリアルに感じているか、という点についてフォーカスがあたったりして、考えさせられました。なんだかんだ今がやり過ごせてしまうと、取り返しがつかなくなるまで放置してしまって、失われてきたもの、そうなりつつあるものは少なくないのかな、と。もちろん繊維業界に限らず。

さて、開催地となった福岡県八女市。

久留米絣(くるめがすり)という絣の織物の産地です。
絣は経糸や緯糸(あるいは両方)にあらかじめ染色を施し、織り上げて柄を出す技法です。
英語ではikat(イカット,アイカットなど)と呼ばれるもので、日本に限らずインドやメキシコなどでもみられます。
技法も様々で、私が学生時代に習ったものは織機に張った経糸に直接筆で染色し、乾いてから緯糸を通して織り上げる、なんとも大雑把な方法でした。

久留米絣では、
1.経糸や緯糸を束にして括る
2.藍で染色
3.括り糸をほどく
4.織機にセットして織る

大きく分けてこのような段階を踏んでいました。
すべての行程が手作業であるものから、一部だけ動力を利用したものなど様々でした。
最初に伺ったのは森山絣工房さんです。

こちらでは、すべて手作業で行われていました。
麻の繊維で括られた糸↓
染色の工程では外れず、ほどくときには簡単に外すことができるのだそうです。すごい、、
色紅で印をつけ、手で括っていきます。

対して、こちらは機械で括られた糸↓
括り糸が一本につながっていますね。素材は綿やポリエステルだそうです。
機械括りいついては後半で触れていきます。

次に染色の工程に移ります。


工房入り口には、沢山の藍染めされた糸が吊るされていました。
何回も染めた濃いものほど、堅牢度が高いそうです。

実際に染色する様子を見学させていただきました。
沢山の藍甕(あいがめ)、藍汁をためておく瓶があります。深さは1m強で、それぞれ藍汁の濃さが異なります。

藍甕の中に糸の束を浸しては絞り、たたく作業を繰り返します。
藍汁は茶褐色をしていますが、空気に触れることで糸がきれいなブルーに染まります。
まんべんなく空気に触れさせる為に糸を地面に叩き付ける行程があるのだそう。
これを怠ると染めムラができてしまいます。

そして染められた糸は括り糸を外し、ようやく織機にかけられます。
糸は簡単に伸び縮みするので、いくら厳密にすべての作業を行っても、機械的に揃いません。
そこで、経糸を後ろで釣って張り具合を微妙に変えたりしていました。

ここまでの道のりの長さを考えると、途方も無いことのように思えます。

次に伺った山村健さん

こちらでも、手作業による染色と織機を見学させていただきました。
印象的だったのは経糸をセットする様子。
下半分が無地の糸で、上半分が絣糸です。調整しながら巻いていき、柄が現れる(写真左奥)様子は圧巻です。

絣の図案も見せていただきました。
この細かい方眼の図案からからすべての行程が始まります。

久留米絣の工房見学、後半へ続きます。
後半では、動力を利用した絣の生産現場を映した映像などを載せています。