新緑茶会 – 織物の家の人びと

2019/05/07

つくるのいえは、旧甘利邸を改修した古民家です。
工場(現・盛洋堂)と隣接する母屋(現・つくるのいえ)にはかつて、甘利織物の一家と、住み込みで働く方々の生活がありました。

写真提供:甘利家ご親族様

八王子の織物業が盛んであった時代に堂々と建てられ、約90年に渡り人々を見守ってきた歴史があります。

そして世の中は令和の時代を迎え、5月5日こどもの日。
お茶の先生である甘利家のご親族によってお茶会が開かれました。

新緑茶会の名にふさわしく、晴天のもと萌木色に包まれたこの日は、偶然にもこの家を建てられた甘利織物のおじい様の33回忌の命日でもありました。

ひ孫の男の子も、てきぱきと仕事をこなしています。

この日ばかりは華やかな和装の方々が集まり、別世界のような空間が広がります。それには、この家の畳の修復にあたった「畳屋よこうち」の職人も喜んでくださいました。

「畳屋よこうち」の代表、横内氏

「つくるのいえ」の旧甘利邸としての側面は、中野上町というこの小さな地域や甘利家のご家族といったコミュニティとの太い架け橋となっています。「織物の街八王子」は、なにも大昔の話ではなく今を生きる人々の記憶に残るものであり、その時代にこの家がどんな立ち姿であったかや、人々のどんな生活があったかをぽつり、ぽつりと聞かせてもらえるのはとても貴重なことです。

人の一生と同じように建物の寿命も様々あって、各々に与えられた時間の中で色んな縁がうずまいては消え、再び現れたりもして面白いものだなと思います。ずっと先のことは見えないけれど予想するのも楽しかったりして、日常の積み重ねである衣食住の”住”について想いを馳せてみる5月の始まりです。