~ 行ってみようよ ~






あれれ?
織物工場としてデビューした「のこぎり屋根」は、
一味違う人生を歩んでいたりするみたいですね。

現在とこれから

繊維にまつわる企業が急速に減ったことにより、現役を終えた「のこぎり屋根」。
その多くが解体されてしまったものの、実は色んな可能性を秘めています。

下図は、国内外で実践されている活用法の例です。


使われ方が多岐に渡っているのね。
目に留まりやすいし、探してみたくなったな。

そうだね。 本来の用途にこだわりすぎず、
色んな活用法を見出すことによって、地域資源として
今後も残していくことが可能になるんだ。

例えば代表的な織物産地のひとつ、群馬県桐生市では「のこぎり屋根」の再生活用に取り組み、
様々なプロジェクトを発足しています。 空き家になり、取り壊され、風化しかけていた
「のこぎり屋根」の建物は、地域の人々の手によって次第に活躍の幅を広げました。

「のこぎり屋根」は、今まで説明してきたように工場として使うのに優れているのはもちろん、
現在はそのユニークな建築がデザインとして再評価されるようになっています。

また、「のこぎり屋根」が繊維産業の繁栄の象徴であることから、繊維産地にとっては地域の
歴史・産業・文化を伝える財産でもあります。

  • デザイン
  • 機能性
  • 文化の継承

一方で、このような古い建造物の再生や活用・保存には大変な手間と時間、
そして資金が必要です。 それをいったい誰が担うのか?となると、簡単な問題ではありません。

「いいものだから残そう」といった活動は、理想論では語れない部分が多く、
興味を持ち、関わる人が増えることで実現・継続が可能になるプロジェクトです。

そういう意味では、今これを読んでいるあなたは、「のこぎり屋根」の存在が
多かれ少なかれ気になったわけで、それは私達にとって、とても嬉しいことです。

誰も気にかけなければ、なくなってしまうのね。
「のこぎり屋根」を知ったおかげで、少し気になる存在になったな。

うん、消えてしまったものは蘇らないから守るんだよね。
言ってしまえば建物はただの箱だけど、それを通して
工場の記憶を継承していけたらいいよね。

次回へつづく(執筆中)