工場といえば、こんな形。

...でも、本物を見たことってありますか?

あのギザギザって、
どんな意味があるんでしょうか?


当たり前だと思っていた工場の形も、
よく考えてみたら不思議がいっぱい。

「のこぎり屋根」を初めて聞いたあなたも、
知ってるよってあなたも、

ユニークで歴史のつまった建物を
見つける旅に出てみませんか?


案内人はこの2人。

それでは、
「のこぎり屋根」の世界をお楽しみください。

のこぎり屋根とは

では、早速みていきましょうか。
ここでは、のこぎり屋根のあらましを3つに分けてお話していきます。
物語の舞台となる町には、どうやら「のこぎり屋根」があるみたいですね。

探訪の目的

私たちは東京都八王子市を拠点に活動するチームです。
そこに工場があったとひと目でわかる「のこぎり屋根」。
地元では活用されることも、価値に気づかれることもなく刻一刻と数が減っています。
完全に消えてしまう前に、面白がることから輪を広げていけたら良いなと思っています。

拝啓

 エミさん、歴史のない街というのはどこにもありませんし、 自分が何気なく暮らす街というのは、案外よくわかっていないものです。

 私は先日、古い工場群が残る旅先の街並みを見ながら、
「あああれがのこぎり屋根というのか、なんて綺麗なんだろう。うらやましいなあ」
と思って、自分の街に戻りました。 自分の育った街を歩いていつもと変わらない風景の中に、旅先で感動した風景があることに気付きました。

 織物のまち八王子から北に80km、桐生のまちでは地域全体で工場群の調査保全、観光利用が行われているそうです。 八王子の風景は随分変わりましたが、だからこそいまも残る風景にもし価値があるのなら、その価値をちゃんと見つけないと誰にも気づかれないままなくなってしまう。

 もし価値があるなら、本当は活用できるかもしれない。

 それで興味があったり、街をもっと面白くしたいというみんなでどこにあるのか探しに行こうと思ったのです。 先日、コンビニの前にあったはずの立派なのこぎり屋根が駐車場になっていました。 織物のまちにとって、街に残るのこぎり屋根は当時の記憶を残していて、そんないまも残る風景を見ていると、もっと街のことをちゃんとみんなで知ることが出来たらと思うのです。

敬具

MAP

これは、繊維産業の全盛期に栄えた桐生と八王子の、のこぎり屋根の所在地をまとめた地図です。
資料から位置を調べたり、地図上を探してみたり、町で偶然みつけたものもあります。
ちょっと寂しいですが、無くなってしまったものも含まれます。

のこぎり屋根は、紡績・織物・染色などの工場に多く使われた背景から、繊維産地に多く建てられました。
(お住まいの地域に近い繊維産地を探すには 「日本のテキスタイル 繊維産地まとめノート」 をお役立てください。)

地域全体で再生活用に取り組む群馬県桐生市では、工場としての役割を終えた建物をお店やギャラリーに転換することで、のこぎり屋根建築の保存がされています。 一方、都市に近い東京都八王子市では宅地化が進み、取り壊しの波にブレーキがかからず現在も刻一刻と減っている状況があります。

のこぎり屋根建築のように古い建物は、壊すことがあっても新たに建てられることは稀。地域の歴史を伝える象徴的存在として、町並みに残すという選択が増えたらいいなと思います。




「群馬県 桐生市」




「東京都 八王子市」

「のこぎりやね探訪」メンバーは、個人・団体での
のこぎり屋根探しを不定期に開催し、記録・調査を行っております。
その中で出会った、のこぎり屋根の一部をこちらでご紹介いたします。
(既に取り壊されている可能性があります。)